『おおきな木』
2003年11月25日むかし りんごのきが あって・・・
かわいい ちびっこと なかよし。
まいにち ちびっこは やってきて
きのはを あつめ
かんむり こしらえて もりの おうさま きどり。
ちびっこは きのみきに よじのぼり
えだに ぶらさがり
りんごを たべる。
き と ちびっこは かくれんぼう。
あそびつかれて こかげで おひるね。
ちびっこは きが だいすき・・・
そう とても だいすき。
だから きも うれしかった。
けれども ときは ながれてゆく。
ちびっこは すこし おとなになり
きは たいてい ひとりぼっち。
ところが あるひ そのこが ひょっこりきたので
きは いった 「さあ ぼうや わたしのみきに
おのぼりよ。 わたしの えだに ぶらさがり りんごをおたべ。こかげで あそび たのしく すごして おゆきよ ぼうや。」
すると そのこは 「ぼくは もう おおきんだよ
きのぼりなんて おかしくて。かいものが してみたい。だから おかねが ほしいんだ。 おこづかいを くれるかい。」
きはいった「こまったわねえ。 わたしに おかねは ないのだよ。 あるのは はっぱと りんごだけ。
それじゃ ぼうや あたしの りんごを もぎとって まちで うったら どうだろう。 そうすれば
おかねもできて たのしくできるよ。」
そこで そのこは
きに よじのぼり
りんごを もぎとり
みんな もっていってしまた。
きは それで うれしかった。
だが それから そのこは
ながいあいだ こなかった・・・
きは かなしかった。
ところが あるひ
そのこが ひょっこり もどってきたので
うれしさ いっぱいに からだを ふるわせ
きは いった 「さあ ぼうや
わたしのみきに おのぼりよ
わたしのえだに ぶらさがり
たのしくすごして おゆきよ ぼうや。」
「きのぼりしている ひまはない。」
おとなになった そのこは いった。
「あたたかな いえが ほしい。
およめさんが ほしい こどもが ほしい。
だから いえが いる。
ぼくに いえを くれりゅかい。」
きが いった 「わたしは いえはないのだよ
この もりが わたしの いえだから。
だけど わたしの えだをきり
いえを たてることは できるはず。
それで たのしく やれるでしょう。」
そこで おとこは
えだを きりはらい
じぶんの いえを たてるため
みんな もっていって しまった。
きは それで うれしかった。
だが おとこは
また ながいあいだ こなかった。
そして おとこが ひょっこり もどってくると
きは うれしくて
ものも いえない ほどだった。
「さあ ぼうや」きは ささやいた
「さあ ここで おあそびよ。」
おとこは いった
「としはとるし かなしいことばかりで
いまさら あそぶきもちに なれないよ。
ふねに のって ここから はなれ
どこか とおくへ ゆきたい
おまえ ふねを くれるかい。」
きは いった
「わたしの みきを きりたおし
ふねを おつくり。
それで たのしく やっておくれ。」
そこで おとこは きのみきを きりたおし
ふねを つくって いってしまった。
きは それで うれしかった・・・
だけど それは ほんとかな。
ながい としつきが すぎて
おとこが また かえってきた。
きはいった 「すまないねえ ぼうや
わたしは なんにもない
あげるものは なんにもない
りんごも ないし・・・」
「わしのはは よわくなって
とても りんごは かじれんよ。」
「ぶらさがって あそぶ
えだも ないしね・・」
「としよりだから えだに ぶらさがるなんて
むりなことだよ。」
「みきも ないから
のぼれないしね・・・・」
「とても つかれて きのぼりなんて!」
きは ふっと ためいきついて
「すまないねえ なにかあげられたら いいんだが。
わたしは なんにもない。
いまの わたしは
ただの ふるぼけた きりかぶだから・・・」
いまや よぼよぼの そのおとこは
「わしは いま たいして ほしいものはない。
すわって やすむ しずかな ばしょが
ありさえすれば。 わしは もう
つかれはてた。」
「ああ それなら」 と きは せいいっぱい
せすじを のばし
「このふるぼけた きりかぶが
こしかけて やすむのに いちばんいい。
さあ ぼうや こしかけて。
こしかけて やすみなさい。」
おとこは それに したがった。
きは それで うれしかった。
***********************
*********
10代の時に、
この絵本を読んだ時は
「白黒の絵で たいしておもしろくもない」
って、思ってました。
今日、
26歳寸前にして
再びよみました・・・。
涙が出てきた・・・・。
Tさんとのコト。
Hちゃんとのコト。
家族とのコト。
全てのコトが
ぐるぐると
頭ん中をまわる・・・・。
私自身・・・
「き」でもあって
「少年」でもあって・・・
初めて読んだときよりも
私に、色んな事が起きてて、
ちょっとは
成長してるってことかな・・・。
だから、
きっと、
前に進めるよ・・・。
かわいい ちびっこと なかよし。
まいにち ちびっこは やってきて
きのはを あつめ
かんむり こしらえて もりの おうさま きどり。
ちびっこは きのみきに よじのぼり
えだに ぶらさがり
りんごを たべる。
き と ちびっこは かくれんぼう。
あそびつかれて こかげで おひるね。
ちびっこは きが だいすき・・・
そう とても だいすき。
だから きも うれしかった。
けれども ときは ながれてゆく。
ちびっこは すこし おとなになり
きは たいてい ひとりぼっち。
ところが あるひ そのこが ひょっこりきたので
きは いった 「さあ ぼうや わたしのみきに
おのぼりよ。 わたしの えだに ぶらさがり りんごをおたべ。こかげで あそび たのしく すごして おゆきよ ぼうや。」
すると そのこは 「ぼくは もう おおきんだよ
きのぼりなんて おかしくて。かいものが してみたい。だから おかねが ほしいんだ。 おこづかいを くれるかい。」
きはいった「こまったわねえ。 わたしに おかねは ないのだよ。 あるのは はっぱと りんごだけ。
それじゃ ぼうや あたしの りんごを もぎとって まちで うったら どうだろう。 そうすれば
おかねもできて たのしくできるよ。」
そこで そのこは
きに よじのぼり
りんごを もぎとり
みんな もっていってしまた。
きは それで うれしかった。
だが それから そのこは
ながいあいだ こなかった・・・
きは かなしかった。
ところが あるひ
そのこが ひょっこり もどってきたので
うれしさ いっぱいに からだを ふるわせ
きは いった 「さあ ぼうや
わたしのみきに おのぼりよ
わたしのえだに ぶらさがり
たのしくすごして おゆきよ ぼうや。」
「きのぼりしている ひまはない。」
おとなになった そのこは いった。
「あたたかな いえが ほしい。
およめさんが ほしい こどもが ほしい。
だから いえが いる。
ぼくに いえを くれりゅかい。」
きが いった 「わたしは いえはないのだよ
この もりが わたしの いえだから。
だけど わたしの えだをきり
いえを たてることは できるはず。
それで たのしく やれるでしょう。」
そこで おとこは
えだを きりはらい
じぶんの いえを たてるため
みんな もっていって しまった。
きは それで うれしかった。
だが おとこは
また ながいあいだ こなかった。
そして おとこが ひょっこり もどってくると
きは うれしくて
ものも いえない ほどだった。
「さあ ぼうや」きは ささやいた
「さあ ここで おあそびよ。」
おとこは いった
「としはとるし かなしいことばかりで
いまさら あそぶきもちに なれないよ。
ふねに のって ここから はなれ
どこか とおくへ ゆきたい
おまえ ふねを くれるかい。」
きは いった
「わたしの みきを きりたおし
ふねを おつくり。
それで たのしく やっておくれ。」
そこで おとこは きのみきを きりたおし
ふねを つくって いってしまった。
きは それで うれしかった・・・
だけど それは ほんとかな。
ながい としつきが すぎて
おとこが また かえってきた。
きはいった 「すまないねえ ぼうや
わたしは なんにもない
あげるものは なんにもない
りんごも ないし・・・」
「わしのはは よわくなって
とても りんごは かじれんよ。」
「ぶらさがって あそぶ
えだも ないしね・・」
「としよりだから えだに ぶらさがるなんて
むりなことだよ。」
「みきも ないから
のぼれないしね・・・・」
「とても つかれて きのぼりなんて!」
きは ふっと ためいきついて
「すまないねえ なにかあげられたら いいんだが。
わたしは なんにもない。
いまの わたしは
ただの ふるぼけた きりかぶだから・・・」
いまや よぼよぼの そのおとこは
「わしは いま たいして ほしいものはない。
すわって やすむ しずかな ばしょが
ありさえすれば。 わしは もう
つかれはてた。」
「ああ それなら」 と きは せいいっぱい
せすじを のばし
「このふるぼけた きりかぶが
こしかけて やすむのに いちばんいい。
さあ ぼうや こしかけて。
こしかけて やすみなさい。」
おとこは それに したがった。
きは それで うれしかった。
***********************
*********
10代の時に、
この絵本を読んだ時は
「白黒の絵で たいしておもしろくもない」
って、思ってました。
今日、
26歳寸前にして
再びよみました・・・。
涙が出てきた・・・・。
Tさんとのコト。
Hちゃんとのコト。
家族とのコト。
全てのコトが
ぐるぐると
頭ん中をまわる・・・・。
私自身・・・
「き」でもあって
「少年」でもあって・・・
初めて読んだときよりも
私に、色んな事が起きてて、
ちょっとは
成長してるってことかな・・・。
だから、
きっと、
前に進めるよ・・・。
コメント